とあるJIS規格がありまして、2021年版が新たに発行されていたので、目を通していました。そしたらその中にこんな記述があったんですよ。
(電圧が変動して定まらない場合は)
陰極線オシロスコープで波形を観察し、
実効値の平均を計算によって求めてもよい。
もう一度書きますが、2021年に発行されたJIS規格の記述です。陰極線オシロスコープというのは、ブラウン管を使った旧式のアナログオシロスコープのことですが、中古市場にはまだ存在はするものの、通常はもう使われないシロモノです。
このJIS規格は、基本的には国際規格を日本語に翻訳したものです。しかし、上記の記述は日本が独自に要求を追加している部分で、つまりJIS規格として策定する際に、日本にいるどこかの誰かがわざわざこれを書いたということです。
いやいやいやいやいやいや、
そんな旧式のものをあえて指定する意図は何なの!!??
まあ実際のところは、意図してこんなことを書いたんじゃなくて、何十年も前からの記述がそのまま残ってるんだと思います。しかしね、それならそれで2021年版として発行する際に誰かちゃんと確認しなさいよと。「陰極線オシロスコープ」じゃなくて、単に「オシロスコープ」でいいでしょうに。それならデジタルオシロスコープでも、陰極線オシロスコープでも構わないわけですから。逆に聞いてみたいもんですよ。登録検査機関はこの試験を実施するとき、規定通りきちんと陰極線オシロスコープを使ってるんですかと。
さすがにこの件で登録検査機関とケンカになることは無いと思いますが、「陰極線オシロスコープでないと絶対に認めない!規格にそう書いてあるでしょ!」などというような、頭がカッチカチで本当にどうしようもない人がこの業界にはけっこういますからご注意を。
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